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2008年2月20日 (水)

陶芸の表現2

陶芸の表現というのでブログを書いたら、コメントがいろいろついた。

人間、正直なもんで、うれしくなってまたそのたぐいのことを書きたくなってくる。そんで書くのだ。そうだそうだ。

鍋島の絵皿と宮川香山の壷のことを書いたのだけど、あれらはその作品だけを見ると、わしは、なんで???という疑問が沸いてくるのだが、その背景を考えると、なるほどと思うこともあるのだ。

鍋島の絵皿は官窯です。官窯というのは、鍋島藩のお抱えで、鍋島藩、もっというと藩主のために、存在したと思う。主な用途は、藩からの贈り物。そうなると、当然鍋島藩の面子にかけて、見事なものにしなければならない。誰が見てもわかるような見事さ。それでああなっていったのだろう。

それって、中国の官窯でもそうだし、薩摩藩の白薩摩でも同じことだと思う。

宮川香山の作品は、輸出のためであったのだろう。これは欧米の金持ちが買うのですな。すると、渋い、奥深いものより、なんといってもわかりやすい、人が驚くものの方がいいですな。すると、精緻なカニがくっつくということになる。

ものすごくおおざっぱに書いたけど、まあ本当はもっといろいろ理由があるのだろうけど、要約するとこんなことになるんじゃないかと思う。違っているかしら。

わしが好きな板谷波山はちょっと違って、どう考えても自分のため、あるいは自分が美しいと思うものを作ったのだと感じる。このあたり、わしが感じるだけなので、本当のところはわからない。

このあたりは微妙なのだ。

わしの陶芸教室あたりで、好きなものを作っている人でも、自分の好きなものを作っているのだけど、人にも見てもらいたい。それで、ほめられたりすると、すごくうれしくなってくる。

以前、偏壷を作ったことがあって、偏壷っていうのはまあお盆のようになっている壷で、特に教室でやったのはドーナツ型の偏壷。

この偏壷というのは、実用的に考えると、どうにも使いづらいと思う。生徒さんにも、これ、なんに使うのですか?とよく聞かれた。

わしは、「人に自慢するためです。」と答えた。こういうのを玄関やら床の間やらに置いておくと、人が来たら、「なんですか?これ」と聞いてくるわな。そこで、さりげなく、こういう形の壷なんです。ちょっと変わってるでしょ。面白いかなと思って、作ってみたんですけど。

とか答えてごらんなさい。おお!すごい!ということになって、気分がいいじゃないですか。そのために使うのです。と答えた。けっこう多数の人が納得していた。

なんか恒例のように話がずれてきたのだが、アートだのとかいろいろ考え、自分の好みも追求しながら、さりげなくもあざとくも、時に人に自慢するというのが楽しいんだなあ。

偏壷って、わしはあんまり美しいとは思えない。なんか、カニの壷の類だと思う。でも、作るのも楽しいし、人に見せて驚かすのも楽しい。実は宮川香山も、カニをくっつけて、そうやって楽しんでいたのかもしれない。

なんか、またタイトルと違った内容になったような。でも、これよいのだ。

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コメント

今晩は。作家さんでなくても、教室で遭遇する作品にも、それぞれの求める内容の違いに面白さを感じています。

ある人は形、ある人は色に、またある人は必然性を帯びた偶然を求めているように感じます。十人十色と言われるように、求めるもの(好み)が違って当然のように思います。

 漠然と自分の好み(方向性)が見えてきたようでも、実際にしっくりくるというか、納得できる作品など一生にひとつ出来ればいいぐらいにしか思えません。

 有名作家の作品であれすべてが共感できるものでもないように感じます。力の入り具合が手にとって解るものあり、遊び心によるものと思われるものもあったりする。見る側の好みでどちらが好きかと言うことになる気がします。

 自分の好みで、自分が納得できれば、他人が何と言おうとそれでよいような、自己満足の世界なのかもしれません。私には。
人にあげられない作品を造りたい。

投稿: 那須 | 2008年2月20日 (水) 23時19分

自由気ままに、作っています。

最近、ろくろなんて使やあしない。
(最近って、復活したばかりですが)

変に凝るけど、自己満足。

それが、何か? それで、いいと思ってます。

それでいいんですよね。

投稿: ひまてん | 2008年2月21日 (木) 11時58分

はじめまして。
芸術に限らず作品といわれるもの全てに、私は自分にはないものを求める傾向があるようです。
なので陶芸も自分とは対極の性質のものが好きです。
直線とか・・・曲線とか・・・均一な質感とか色とか。
自分から遠ければ遠いほど、すてき!と思うみたいです。

きっと件の壷など、私きっと好きです。

あとはSFテイストなものとか好き・・・これはオタク魂の故ですが。

投稿: 金魚 | 2008年2月21日 (木) 21時45分

那須さん どうもどうも
人にあげられないものをと言われますが、魚のマグカップなど、欲しい人がいるように聞きましたけど・・まあ好きにやりましょう。


ひまてんさん

師匠がいなくなって寂しいでしょうが、犬もいるので我慢してくださいませ。
なんといっても自分の満足が一番です。
合言葉は
  「これでいいのだ!」
でしょう。


金魚さん はじめまして

自分と対極にあるものを好まれる・・・
難しいですね。
これって、自分ってこんな人間とわかってないと
言えない。
47歳になりますが、自分で自分の好みというのがよくわからんのです。まあ、カレーとハンバーグは好きでお子様ですけど・・

自分にないものに惹かれるのは自然なんですが、
一度、偏壷作ってみてください。きっと、もっと好きになると思います。手をかけると、好きになってしまうのです。

投稿: 土丸おやぢ | 2008年2月26日 (火) 08時02分

おおー!ほらやっぱり。自慢だったんですね。

プロとなると自慢とか主張じゃないのでしょうか。
想像を形にするって凄いなぁ。

俺はお前じゃなきゃダメなんだよっ!
って言われたいです。これは妄想です。

投稿: きっちょむ | 2008年2月26日 (火) 11時44分

ええ~っと、これはわしの想像なので、本当かどうかわかりません。

ひょっとしたら、宮川さんはカニが好きで好きで仕方なかったのかもしれません。

それで、俺はカニじゃなきゃだめなんだとか思いながら作っていたのかもしれません。

「俺はお前じゃなきゃだめなんだよ」というのは、怖い表現です。口にしたときは本気でそう思っていますが、本当にお前じゃなきゃだめになるためには、そこから長い年月と二人の努力が必要なのです。なんていいこと言うんでしょう、わしって。

投稿: 土丸おやぢ | 2008年2月27日 (水) 11時00分

正直言いますが、壷のカニについて
紹興酒1本は議論できる自慢ならあります。

努力か。またも唸らせてくれましたね。
私にも土丸さんの仰った意味が
ちっとは分かるようになりました。
また良い事を書いてください!


投稿: きっちょむ | 2008年2月27日 (水) 16時42分

こんにちは。初めてコメントをさせて頂きます。

「宮川香山」にすごくはまっていて、検索しているうちに辿りつきました!
宮川香山の作品をもっと見てみたい、研究したいと思っているうちに、
宮川香山ブログを作ってしまいました。

gooなどのブログ検索か、http://kozan.blog.so-net.ne.jp/
で見ることができますので、見ていただけましたらうれしいです。

また、こちらのブログもちょこちょこのぞかせていただきたいと思います。

少し前ですが、美の巨人たちの番組もすごく興味深くみてました。。。

投稿: makuzu | 2008年7月 5日 (土) 11時32分

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