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2007年10月 5日 (金)

釉薬の誘惑

というタイトルを付けてみたけど、別に釉薬は誘惑せんわなあ。

久しぶりに自慢でもするか。土丸では、ほとんどの釉薬は自作している。釉薬の自作というのは、なんか本格的っぽいではないか。

うちの教室では、釉薬を作るためのミルという機械がある。以前、わしは土の小売りというか卸をやっていた時期があって、そのせいで東京西部、神奈川の多くの陶芸教室を訪ねたが、驚くべし、釉薬を自作している教室はほとんどなかった。

なんで??わけがわからん。釉薬を作るのは、本当に難しくもなんともない。原料を買って、それを調合して、水と一緒にミルに入れ、ごろごろと回すだけだ。確かに手間がかかるが、自作する良さがいっぱいある。

まず、オリジナルの釉薬が作れる。このあたりもう少しマット調にしたいなあというのもできる。まあ、多少は釉薬の勉強をせねばならんけど、別に化学式をどうこうするわけでないので、そんなに難しくないと思う。

それとそれと、教室を運営する上で、たいへん大事なのが、自家調合だと、圧倒的に安くつくということなのだ。

ある陶芸教室に行ってみると、釉薬は全部液体のものを買っているという。石灰透明釉まで液体で買うという。わしはたまげた。月にいくらくらいか聞いてみたら、わしの教室の5倍ぐらいかかっている。むう。お金持ちね。

まあ、釉薬の話はこれからも書くと思うので、このへんにしておこう。というのも、こういうことを書くのも、今夜、うちの女房様から、「○○の釉薬、早く買って」と言われたからなのだ。

ほとんどが自家製と言っても、買っている釉薬も何種類かある。その中の一つが少なくなったので、買い足せという。実はわしも買い足したい。しかし、しかし、そこは強敵なのだ。

その釉薬は、瀬戸だか多治見だか忘れたけれど、あっちの方にある釉薬屋さんで、そこは大変安くて、質のよい釉薬を作ってくれる。わしが買うのは、粉状のもので、これを上記のミルに自分で入れてごろごろ回すわけだ。

その釉薬屋は、釉薬は良いのだが、電話が強敵なのだ。以下実話。

去年だったか、そこに釉薬の注文の電話を入れた。

「○○釉を5キロ、それを5つ欲しいんだけど。」

大変元気の良い女性が、「あいわかりました。お見積もりをいれさせていただきますので。」というので、FAX番号を伝えた。

FAXが来ん。ぜんぜん来ない。わしも忙しいので、忘れていたが、2週間ほどして、再度電話した。

「あいすみません。そうしたら、すぐにFAXします。」というので、再度FAX番号を伝える。実は毎度FAX番号を伝えているので、もう10回は教えている。

待っていると、FAXが来た。キロ単位の単価だけ書かれている。運賃は?消費税はいらんのか?それで、トータルいくらなんじゃ?それと、振込先は?というのは、振込んでから送るというので、振込先が知りたいのだ。

それで、もう一度、電話を入れ、せめて振込先を教えてくれという。振込先は、今まで何度も買っているので、わしも調べたらわかるけれど、なんか最近銀行がやたら合併しやがるので、わけがわからん。確か、そういう銀行だったような記憶があるので、教えて欲しいのだ。

「あいわかりました。申し訳ありません。すぐ送ります。」というので、待ってみた。

来ない。ぜんぜん来ない。3週間ほどたった頃、さすがに釉薬が足りなくなってきたので、再度電話した。

この頃になると、わしもかなり学習してきたというか、恐ろしくなってきた。わしのことが嫌いなのかしらとかも思うけど、わしは何もしておらん。

それで電話したら、またあの元気の良い女性。あれはどうしたと聞くと、「あいすみません、少々お待ちください。」と言って、何か捜しているようだ。あんまり長いので、わしは電話を切ってしまった。さすがにめげてきた。

翌週、再び電話してみた。また元気の良い女性の声がしたとたん、わしは受話器を切っていた。もう堪忍や。

20分ほどして、逃げていてはいけないと思って、再度電話。なんという幸運。別の人の声がする。ここは逃すまじ!注文して、FAXを頼むと、10分ほどでFAXが来た。金額も振込先も入っている。うれしい!

というように、欲しい釉薬を手に入れるためには、たいへんな努力が必要なのだ。その努力は実はもういやなので、なんとかあの釉薬を自分で作るか、他のものにしたいと思うおやぢであった。今日は長いな、おしまい。

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コメント

こんにちは。天気が良いので寄ってみました。
どうぞお構いなく。

にしても。よく耐えましたね。。
それだけ、そこのが欲しいって気持ちが伝わってきました。

その元気な女性が蕎麦屋の人じゃなくて良かった。

でも、仕事で地方に電話すると、のんびり口調の人が多いような気がします。
まったりしていると言うか。ちょっとした癒しになっていますよ☆

次から○○さん居ますか?って指名しても良いかも知れませんね。


投稿: きっちょむ | 2007年10月 5日 (金) 11時53分

 なんだか気恥ずかしくなるような青春の思い出のような話ですね。

 恋焦がれているからこそあの手この手を駆使し、辛抱を重ねてまでも何とか手に入れたいと念じるものだったような気がします。

ちょっとお高い感じを醸し出しているように思えると、尚のこと挑戦する気持ちに火がつくような。

そんな努力の末に釉薬手に入れ思いを陶芸れたときの達成感。・・・・・? お呼びでない。こりゃまた失礼いたしました。

投稿: 那須天然山女魚 | 2007年10月 5日 (金) 23時45分

きっちょむさん こんちは
今日はあまり天気が良くありません。
まあ、適当におくつろぎください。

まあ、こういう商売やってますと、気が長くなります。それと、学生時代に船に乗って、一日8時間ほど海を見ていたので、忍耐力は抜群。

さらに、わたしの座右の銘は、
「人生 ごめんなさい」
これで決まりだな。


那須さん  こりゃどうも
実は大変残念なお知らせなのですが、この何度も電話をした元気な女性というのは、どう聞いてもかなりのお年寄りのような感じがします。

まあ、それこそどうでも良いことですけど。

投稿: 土丸おやぢ | 2007年10月 8日 (月) 20時23分

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