大人になりたい
わしはタバコを吸う。あんまり良くないとは思いながらも、延々吸い続けている。
そんで最近というか、去年だったかから、タスポというカードがないと自動販売機でタバコが買えなくなった。しかし、タスポは作ってないので、なかなか買えない。実に面倒。
タバコを吸う人はよくわかると思うけど、いつかは止めようと、心のどこかで思っているので、タスポは作りたくない。タスポを作るということは、「わし、これからも吸い続けるからね。」と宣言するに等しいからな。当面止める気はないけど、ずっとすい続けるつもりもない、時が来れば止めるさ、ただその時がこないだけ。まあ、ずっと来ないような気もするけど。
しかし、タスポなしでも買える自動販売機があるのだ。かなり前から、「カードなしでもタバコが買える!」というのぼりがたっている自動販売機があるのです。
わしは、最近週に一度は、用事があって築地に行く。そんで用事を済ませ、帰るときに、その道にこの「カードなしでもタバコが買える自動販売機」があるのです。
3ヶ月前ほどにそれを見つけ、通るたびに試してみるけど、実はまだ一回も買えてない。
その機械にはカメラがついていて、そのカメラに顔を写し、すると機械が大人かどうか顔で判断するというものなのだ。
初めてそれを試した時は、なんだろうと思って、気軽にやってみた。機械が、大人じゃないと判断した時は、運転免許証を挿入しろとか書いてある。
カメラの前にたって、ぽちっとボタンを押すと、機械がうんうん考えて、「免許証を入れろ」と表示がついた。おれは大人じゃないのか。
免許証出すのが面倒なので、その時は何も買わずに立ち去った。
次に来た時にまた試してみる。よく見ると、めがねをはずせとか、目をぱちぱちしろとか書いてある。
そこで、めがねをはずし、目をぱちぱちしてみた。やはり、免許証サインが出る。また、大人と認めてくれなかった。
だんだん悔しくなってきて、通るたびに試すようになった。昨日も通ったので、思いっきりめをぱちぱちぱちぱちぱちぱちぱちぱちしてやったが、やはり免許証。
俺の顔は大人じゃないのか。48だぞ、俺は。十分に大人だろ。
そういえば、なんかニュースで見たことがある。小学生で、この機械で買えたやつがいるらしい。48のわしは買えん。
まさか精神年齢を推測するわけじゃなかろ。しかし、タバコを買えないと言うことは、実は俺は10代に見えるということか?そんなことはない。だろうと思う。というか、ありえないでしょ。
というように、その機械と向き合うたびに、大人とは何か?自分とは大人ではないのか?という根源的な問題に直面するわしであった。しかし、最終的に免許証で確認できるなら、最初からそれでいんじゃないか?そんで、それでいいなら、タスポいらないんじゃないか?と大人の事情を一切考えずに、ただ不平に思うわしであった。
タスポになって、良いことは、カートン買いするようになって、したら、ライターくれるので、ライターがいっぱいになった。そんなに吸えません。すいま千円。
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